毒風のシムーンの強さと弱さ
デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編3で登場した毒風のシムーン。ブラックフェザーの中でもトップカードと呼べる存在でブラックフェザーのキーカードとなる黒い旋風をデッキからフィールドに置く効果を持っています。言うまでもありません。ブラックフェザーのデッキでは驚異的な存在。ただし、欠点や効果の裁定が少しややこしい一面を持ったカードでもあります。
毒風のシムーンの効果は以下の通り。
効果モンスター 星6/闇属性/鳥獣族/攻1600/守2000 このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、 手札からこのカード以外の「BF」モンスター1体を除外して発動できる。 デッキから「黒い旋風」1枚を自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。 その後、手札のこのカードをリリースなしで召喚するか、墓地へ送る。 この効果で置いた「黒い旋風」はエンドフェイズに墓地へ送られ、 自分は1000ダメージを受ける。 この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
毒風のシムーンは手札から発動する起動効果となります。つまり、毒風のシムーン以外のブラックフェザーモンスターを除外するコストの後に発動することができ、毒風のシムーンは一度、手札にあることの確認のために相手に見せなければいけません。
こうしてようやく毒風のシムーンの発動処理を終えることができるワケですね。次は毒風のシムーンの効果処理に移ります。黒い旋風をデッキからサーチして表側表示で置くことができるシムーンの効果。この「表側表示で置く」という文面、気になりませんか?
そう、表側表示で置くという効果は効果処理。要するに魔封じの芳香等の魔法カードの効果を強制的に避けることができます。
魔封じの芳香の効果は以下の通り。
永続罠 (1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、 お互いに魔法カードはセットしなければ発動できず、 セットしたプレイヤーから見て次の自分ターンが来るまで発動できない。
この毒風のシムーンの長い効果処理。もちろん、手札誘発カードにはめっぽう弱い一面もあるものの、発動さえ止められなければ毒風のシムーンの効果は基本的には止められることはありません。ただ、発動を止められてしまえば手札のブラックフェザーモンスターと毒風のシムーンの二つのカードを失ってしまうことになるので相当な痛手を追うことになるでしょう。
毒風のシムーンの召喚について
毒風のシムーンの召喚は通常召喚。ただし、効果による通常召喚となります。本来、遊戯王のルールの中では召喚と通常召喚は同じ意味を持ちます。毒風のシムーンの召喚の例としては血の代償を思い浮かべていただけると分かりやすいと思います。
血の代償の効果は以下の通り。
永続罠 500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。 この効果は自分のメインフェイズ時及び 相手のバトルフェイズ時にのみ発動できる。
血の代償の召喚は効果による召喚。これは、毒風のシムーンにも言えること。つまり、毒風のシムーンの召喚処理の後にもう一度だけ通常の召喚を行うことができ、その効果による召喚は通常の召喚権を利用しません。つまり、効果による召喚であれば「ターン一回制限」のような指定がない限り、血の代償のように何度でも召喚することができます。(もちろん、召喚権は消費しません。)
この効果による召喚が毒風のシムーンの良いところ。毒風のシムーンで以下のようなシナジーを組むことができます。
- コストを支払って黒い旋風を表側表示で置く
- 毒風のシムーンを自身の効果で召喚
- 黒い旋風の効果でデッキからBFモンスターをサーチ
- そのサーチしたBFモンスターを召喚権を利用して通常召喚
- 黒い旋風の効果でデッキからBFモンスターをサーチ
実質、毒風のシムーンを出すことができれば先攻の初手で二~三枚のアドバンテージを稼ぐことができます。もちろん、出したモンスターをシンクロ・リンク素材として使うことで新しいシチュエーションを発生させることも。
召喚権を使用しての通常召喚と効果による召喚。双方の違いは分かっていただけたでしょうか。ただ、毒風のシムーンにはデメリットの効果もあることを覚えておかなければいけません。
毒風のシムーンのデメリットについて
毒風のシムーンのデメリット。それは、効果に書かれているように2つのデメリットが存在します。それぞれを見ていきましょう。
まずは1つ目のデメリットから解説していきます。
この効果で置いた「黒い旋風」はエンドフェイズに墓地へ送られ、 自分は1000ダメージを受ける。
この1つ目のデメリットは黒い旋風が墓地へ送られることによるダメージ。つまり、黒い旋風が墓地へと行かずにバウンス等の何らかの処理を挟めば破壊処理とダメージ処理は行われません。
例えば、同じブラックフェザーのカード「BFー精鋭のゼピュロス」の墓地で発動する効果を使用して黒い旋風を手札に戻したとします。すると、毒風のシムーンの効果で出した黒い旋風はフィールドに存在しなくなるので墓地へ送るという効果が不発に終わります。つまり、追続の効果であるダメージの効果処理も行われなくなるワケですね。
ただし、毒風のシムーンの効果で出した黒い旋風がそのままエンドフェイズ時に残っていた場合には効果の裁定通りに墓地に送らなければなりません。もちろん、ダメージもそのまま受けてしまうことになるでしょう。
2つ目のデメリットはEXデッキからの特殊召喚制限。この特殊召喚制限がブラックフェザーデッキの最大の難点とも言えるでしょう。2つ目のデメリットの内容は以下の通り。
ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
EXデッキに必ず投入されているカード。ブラックフェザーを始め、シンクロ召喚を軸とするデッキならば入れていない方はいないでしょう。それほどまでに必須ともいえる「水晶機巧-ハリファイバー」は残念ながら闇属性ではありません。
ブラックフェザーデッキに入れる「水晶機巧-ハリファイバー」は「BF-隠れ蓑のスチーム」とも相性が良いワケですが毒風のシムーンとハリファイバーをターン内で一緒に用いることはできません。これが本当に残念でなりません。
毒風のシムーンと相性の良いカードとは?
毒風のシムーンは本当に強いモンスター。ただし、デメリットも多いカードでもあります。効果自体を止められてしまうと多くのアドバンテージを失うこと。そして、エンドフェイズに黒い旋風を失ってダメージを受けてしまうこと。また、EXデッキからの特殊召喚制限が課せられてしまうこと。
それぞれのデメリットをどう解決するか。使用側のデッキセンスが問われます。そこで、毒風のシムーンと相性の良いカードを集めてみました。よろしければ、毒風のシムーンと一緒に使ってあげてくださいね。
BFー精鋭のゼピュロス
見習い魔嬢
BFー南風のアウステル
A・ジェネクス・バードマン
霞の谷のファルコン
ダーク・ゾーン
ハリケーン
BF-フルアーマード・ウィング
毒風のシムーンの黒い旋風のサーチ力!凄まじい!
単に毒風のシムーンの効果を発動すると黒い旋風が場に出てくると考えても強い効果であることは間違いありません。もはや、ブラックフェザーは黒い旋風が無ければ成り立たないデッキ。このサーチカードの影響でブラックフェザー環境が更に強化されるはずです。
ブラックフェザーの即時展開力と黒い旋風のサーチ力。手札の消費が激しいブラックフェザーに嬉しい救世主となり得るか。毒風のシムーンを採用しようとお考えの方は紹介した相性の良いカードと一緒に使ってみてはいかがでしょうか。
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